コラム

『挑戦する人と共に未来を拓く』


西山 直隆

トーマツベンチャーサポート株式会社
事業開発部長

サポーター

2015/01/14 14:18



本サイトを運営される株式会社ジャパンベンチャーリサーチ代表取締役 北村様のご推薦を受けて寄稿いたします。著名な諸先輩方が寄稿されている中、貴重な機会を頂き光栄です。

私は19歳の時に起業し、インキュベーション施設に入りながらIPOを視野に入れて2年間経営者として事業を行いました。エンジェル投資家やファンドから資金支援を頂いたものの、この事業は結果的にはうまくいかず失敗に終わりました。その後は大手事業会社に入社し、当該事業会社のIPOプロジェクトチームとして大型IPOに携わりました。

そしてベンチャー企業のサポートがしたいという想いで2013年8月にトーマツベンチャーサポート株式会社(TVS)に入社しました。自らIPOを目指したりたり、大型IPOに携わったりした経験を活かし、事業拡大していくベンチャー企業のサポートに従事しています。

なかでも、ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的とした「Morning Pitch」というイベントの統括プロデューサーを務めております。

 

※Morning Pitchの概要

「ベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すこと」を目的とした、ベンチャー企業によるプレゼンテーションイベント。2013年1月から開始し、毎週木曜日早朝7時より開催している。過去累計400社超のベンチャー企業が登壇しており、多くの事業提携を生み出している。トーマツベンチャーサポート株式会社、野村證券株式会社の2社が幹事となり開催している。

日時:毎週木曜日 午前7時~9時

場所:東京・新宿野村ビル4F 東京都新宿区西新宿1−26−2

対象:大手事業会社、VC等(完全申込制 下記URLより登録が必要)

Web::h t t p : / / m o r n i n g p i t c h . c o m /

 

なぜIPOを目指して起業した私がMorning Pitchを運営しているのか。

私が事業を営んでいた当時、私の周りの経営者には、良い技術や事業モデルを保有しているにも関わらず、うまくいかないことも少なくありませんでした。その大きな理由は、大企業との連携が上手くいかず、資金不足になるというものでした。「ベンチャー=胡散臭い」、という印象が根強くあり、相手にしてもらえないことがほとんどだったのです。そして多くのベンチャー企業が次々と廃業に追い込まれる様を間近で経験しました。

そのとき、これは社会にとって大きな損失だと感じました。

良いベンチャー企業が、必要に応じて大企業とアライアンスを組みながら成長できる、そんなプラットフォームが必要だと強く感じました。

そのプラットフォームになるべく、どうすれば本質的にベンチャー企業にとって価値のある場所を創れるかという観点から、我々はMorning Pitchを運営しています。

ベンチャー企業の持つ、技術やビジネスモデル、スピード感、巻込み力と、大企業の持つリソース(ブランド、販路、物流、資金、設備、人材等)を掛け合わせることで、ベンチャー企業の成長と大企業のイノベーションを創出できると強く思っています。

TVSは大規模監査法人に属している社内ベンチャー的存在のため、Morning Pitchにはトーマツの監査クライアントにのみ登壇を依頼すると誤解されることがあります。

実際は、シード・アーリーステージでまだ監査を必要としないベンチャー企業、元からIPOを視野に入れていないベンチャー企業、さらには他の監査法人でIPO準備中のベンチャー企業であっても、Morning Pitchの目的や設定しているテーマに合えば登壇のお願いをしております。業界全体の底上げ、プラットフォームとしての活動がMoring Pitchの目指すところだからです。

最近はベンチャー企業に関わるイベントが毎日のように様々な場所で開催されています。業界全体が盛り上がっているという点においては非常にポジティブな反面、自戒を込めて「何を目的とした誰のためのイベント」かをより明確にした運営が必要だと考えます。ベンチャー企業の経営者は、限られたリソースの中でスピード感をもった経営をしなければならないからです。本質的には意味のない会合に時間を割いている余裕はないのです。

貴重なベンチャー企業の経営者の時間を割いて頂くので、TVSが何かを始めるときは常に「これはベンチャー企業にとって価値があるものになるのか」と、自問自答しています。

さて、我々が日々ベンチャー経営者の方々とお話させて頂く際には、「経営者の想い」と「ビジネスモデル」の2軸に重点を置いて議論させて頂いております。

まず「経営者の想い」とは、経営者の方がなぜそのビジネスを行うのか、そのビジネスでどんな世界観を実現したいのか、ということです。原体験に基づく課題、それをいかに解決するか。その想いがあるからこそ自らコミットして事業を推進できると考えます。資金も信用もない中で起業するには強い想いが必要です。いつも順風満帆に進むはずもなく、山あり谷ありの道の中で踏ん張るには、成し遂げたい想いや世界観が必要です。その想いをしっかり人に伝えていく。そうすることで共感を生み、仲間が増えていくのです。事業を成し遂げることは1人ではできません。いかに多くのファンを産み出せるかが重要です。従業員、取引先、顧客、投資家から共感を得る必要があります。

次に「ビジネスモデル」とは、目指す山はどの程度の大きさ(市場規模)なのか、どのようにその山に登っていくのか(経営戦略、マーケティング)、そしてどんなメンバーで上るのか(経営チームや組織)、ということです。

この2軸が磐石であれば、ベンチャー企業は力強く成長できると考えています。

「ビジネスモデル」の中で、”どのようにその山を登っていくのか”という観点において、一つの選択肢として、大企業との事業提携をし、大企業のリソースをうまく活用しながら成長するというのが、上述のMorning Pitchの目的となります。

ベンチャー企業と一括りに言っても、ビジネスモデルや業種業態、経営者によってその性質はかなり異なります。お会いするベンチャー企業の経営者の方々の想いやビジネスモデルを伺うことによって、我々としてどんな支援が可能なのか、どのような価値を提供できるのか。

例えば、大学発ベンチャー企業では、技術先行型、即ちプロダクトアウトの発想であることが多くあります。研究していたらモノができてしまったと。このようなケースでは、なぜそのビジネスをやるのか、誰の問題を解決するのか、の視点が弱いので、その点を補完する必要があります。

他方、想い先行型の経営者の方にお会いすると、世界観やビジョンを多く語られるものの、それをどの様に実現するのか、何を提供できるのか、の視点が弱いことが多いので、それを補完する必要があります。

一人ひとりに真剣に向き合いながら知恵を絞って議論させて頂いています。

ベンチャー企業のスピードについていくため、我々自身が圧倒的なスピード感をもって動き、考え、そして意思決定をしております。

今後もベンチャー企業の成長、大企業のイノベーション創出の一助となれるよう、スピード感をもって活動して参る所存です。至らぬ点ばかりですので、一緒にベンチャー企業を応援するプラットフォーム作りにご協力いただければ幸いです。

 

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