コラム

「スタートアップが爆発的に成長するために必要なこと」


辻 庸介

株式会社マネーフォワード
代表取締役

アントレプレナー

2014/09/17 14:00



ラクスル株式会社の松本社長からバトンを頂きました、株式会社マネーフォワード代表取締役の辻です。

私は、2001年にソニーに入社後マネックス証券に出向(その後転籍)し、主に事業戦略やマーケティングなどを担当しておりました。途中2年間ほどペンシルバニア大学ウォートン校にMBA留学、その後マネックス証券に戻りCOO補佐、マーケティング部長として勤務後、2012年にマネーフォワードを創業しました。

マネーフォワードは『お金を前へ。人生をもっと前へ。』の理念のもと、『世の中のお金に対する悩みや不安を軽減し、日々の暮らしや業務に関する課題を解決する』ことを目的に設立されました。

現在では、個人向けの家計・資産管理ツール『マネーフォワード』と、中小企業、個人事業主向けクラウドサービス『MFクラウドシリーズ』(会計、確定申告、請求書サービス等)を提供して、お金のプラットフォームになることを目指しています。

事業を開始してまだ2年あまりではありますが、ユーザー数は150万を超えるなどの多くの皆様に支えられ、順調に事業が成長しており、社員も50名近くになってまいりました。今回は、私が事業運営を通じて実感した「スタートアップが成長するために必要な3つの要素」についてお話できればと思います。ソニー、マネックス、そしてマネーフォワードと、社会人経験は長いので、これから起業しようとしている方に少しでも役に立てれば幸いです。

会社を経営する上で、「ヒト」「モノ(サービス)」「カネ」の3要素をきちんと揃えていくということが重要だと古くから言われていますが、特に爆発的な成長を目指すスタートアップにおいては、まさにそれらの要素が必須だと思います。

勿論いきなり全てがそろう事は殆どないですし、会社のステージによってボトルネックになるものは変わってきますが、スタートアップの経営者は、常に今何が会社の成長のボトルネックなのかを把握し、そのボトルネックを解消するために全てのリソースを投入するという覚悟が必要と常々考えています。

特にスタートアップに潤沢なリソースはありません。当初は、リソースを分散させず、社内のKPIも一つだけに集中する、という方法は長い目で見れば、成長を加速させる為にはいい手なのでは、と感じています。

では、それぞれの要素についてみていきましょう。

 

1、ヒトについて

「会社は人」

ビジネスをやる上で一番大事なことは何かと聞かれれば、私はどんな仲間と一緒にやるか、が一番大事だと答えます。

当社も、スタートアップとしてはかなりいいメンバーが集まってくれていると自負していますが、特にスタートアップの初期は「梁山泊、三国志」的な、ある能力に突出していて、その部分を丸ごとまかしきる事ができるような能力、そして何より気概を持ったメンバーと一緒に作り上げることが大事だと思います。

スタートアップの最大の武器と言えば、スピード感ですが、裏を返せば全ての方針がばちっと決まっているというより、その場その場で臨機応変に対応していく事が大事です。

そして、社長にいちいち意思決定を相談している暇がある位だったら、どんどん現場で意思決定を早いスピードで繰り返し、その施策の結果、ユーザーボイスを拾って改善していく、そんな能力と覚悟を持った、そして「例え失敗してもこいつが意思決定した結果ならしょうがない」と思えるような、信頼しきれるメンバーと一緒にスタートアップをやる事が大事だと思います。

 

2、モノ(サービス)について

スタートアップをやるからには、世の中の課題、或いはユーザーが持つ何らかの課題を解決したい、という方が多いのではないかと思います(勿論、ビジネスチャンスがあると考えてスタートアップを起こされるのでも全く構わないと思います)。

私自身の経験として、世の中に受け入れられるサービスの構築、つまり「どんなサービスを作ればその課題は解決するのか」は、口で言うのは非常に簡単ですが、実際にユーザーに継続的に使っていただけるサービス(いわゆるnice to have ではなくmust have なサービス)を構築することは非常に難しく、当初スタートアップが一番苦労する点ではないかと思います。

我々も、当初数ヶ月かけて作ったサービスが見事に誰にも使っていただけず、こけてしまったという辛い思いをしました。

今思えば「リーンスタートアップ」にあるようにMVP(Minimum Valuable products)でテストを小さく回しながら、サービスを作っていくべきだったと後悔しており、現在サービス開発においては、社内で「リーンにリーンに」と唱えながらサービス開発をしています。

 

3、カネについて

最後にお金についてですが、爆発的な成長を目指して先行投資が必要となるような事業を運営する場合には、その会社の資金調達能力がスタートアップの将来の生き死にを決めるといっても過言ではないかと思います。

資金調達に関しては、いいサービスを作る、メンバーを募る、という要素とは異なる能力が必要となりますので、初めて資金調達を行う起業家の方やあまりその方面に明るくない起業家の方であれば、資金調達経験のある起業家の話をよく聞いたり、そのような能力に長けたメンバーにチームにジョインしてもらうなど手をうっていくことが必要だと思います。

 

4、その他

最後に、スタートアップが成長していくにあたって前述の3要素と同等、或いはそれ以上に大事なことは、会社として目指していくビジョンが確立し社員全員に共有されていること、同時にマクロ的な大きな流れに自分達のビジョンがのっているという事だと思います。

我々マネーフォワードは、世の中のお金の問題をテクノロジーの力で解決するんだ、という強い意思のもと、個人、法人ともに日本No.1のサービスを提供し、将来的には海外進出し、グローバルで通用するスタートアップを作り上げたいと強く思っています。

最後に宣伝になってしまい恐縮ですが、我々のビジョンに共鳴いただけるような方を絶賛募集しておりますので、宜しければぜひ当社までご連絡ください。

世の中を良くしていけるようなサービスを作る起業家がどんどんでてくれば、日本はもっと元気になっていくと思いますので、是非チャレンジする人が増えていければと思っています!

 

 

●関連リンク

株式会社マネーフォワード


辻 庸介

株式会社マネーフォワード
代表取締役

2001年4月 ソニー株式会社 入社
2004年1月 マネックス証券に出向
2008年7月 同社に転籍
2009年 ペンシルバニア大学ウォートン校に留学
2012年12月 マネックス証券 マーケティング部長兼COO補佐
2012年5月 マネーブック株式会社(現株式会社マネーフォワード)設立
2012年11月 同社 代表取締役社長CEO就任
2014年1月 ケネディ米大使より「将来を担う起業家」として米国大使館賞受賞
2014年2月 ジャパンベンチャーアワード2014にて「起業を目指す者の模範」としてJVA審査委員長賞受賞


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