コラム

自分自身を生きる時代!ベンチャーの時代!


勝屋 久

勝屋久事務所
代表/プロフェッショナル・コネクター

サポーター

2013/05/29 10:32



【はじめに】

僕は1999年に日本IBMでベンチャー担当になり、翌年当時のCEOであるルーガースナーの想いでできた組織「IBM Venture Capital Group」の日本代表として2010年まで活動をしておりました。2010年7月に覚悟を決めて、プロフェッショナル・コネクターという新しい職業つくりをして現在に至っています。国内外いままでお会いしたベンチャー経営者は約7000人以上、約1000名の投資家・ベンチャー支援者の方々と接してきました。現在も日々、ベンチャー経営者、支援者の方々にお会いすることが多いのですが、今ベンチャーに感じていることを書き記したいと思います。

ここでいうベンチャーの(私なりの)定義は【心から自分のやりたいことをやっていて、社会の循環を創りだし、成長しようとしている人】です。そして形態としてはベンチャー企業、個人事業主、NPO、会社員、公務員、教員、プロジェクト、タスク、活動、、、などと形式には捉われません。

 

【ベンチャーの存在が今まで以上に重視される時代】

現在、日本において元気の渦の見方として、ベンチャーがあると思います。元気の根源は心から自分のやりたいことをやっていて、基本プラス思考でプラスのエネルギーを発しているからです。近年、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の進化で、facebookなどのソーシャルネットワーク拡大によりユーザー獲得コストがほぼゼロになったり、Amazon Web Servicesを代表とするサーバー提供者運用コストの大幅な削減ができるようになり、お金、地位や権力を持たない若い人たちもビジネスや活動ができるようになりました。このことによりインターネットビジネスを立ち上げる若い人がここ2、3年急激に増えています。

話はかわりますが、僕は37才のときに日本IBMのベンチャー担当として、生まれて初めて、ベンチャー経営者、ベンチャー支援者、人のつながりをベースとしたベンチャーコミュニティと関わる事になりました。正直、衝撃を受けました。なにに衝撃を受けたかというと、ベンチャーに携わる人の目の輝きです。会社で元気な人の目となにかが違う。そのときは気づきませんでしたが、今ではわかります。心から自分のやりたいことをやっているから、生命エネルギーが高いのです。その高い生命エネルギーに触れて、僕の心でなにかが動き出した、新しい炎が着火された感覚になりました。ベンチャーとの出会いで自分のエネルギーも高まっていきました。その後10年近く、ベンチャー支援側で活動し、やりたいことはなにかを悩みながら、ついに48才で独立までしました。僕の人生を大きく変えたのは確実にベンチャーの人たちとの出会いと言えます。出会わなければ、いつ会社にリストラされるのかと不安を常に背負う会社員だったことでしょう。仲間からよく年々元気になるね。といわれますがベンチャーの人のエネルギーに触発され、自分も元気になっていくのは自覚があります。まさに元気の連鎖です。自分自身の写真を37才のときと今(51才)と比較すると明らかに今の方が明るいし若いのに笑えます。顔も違う!

みなさんのまわりには輝いている社会人はどれくらいいますか?

僕が小学校の時代(1970年代)はたくさんいました。親戚のおじさん、おばさんほとんど輝いていた記憶があります。今はどうでしょうか?東京の朝の満員電車に乗ったらわかりますね。

しかし、僕のまわりの多くの社会人は輝いています。ベンチャー創業者だったりベンチャーを支援している人がほとんどだからかも知れません。心からやりたいことをやっている人が多いのです。

ベンチャーは雇用創出や経済活性の貢献の観点でも素晴らしいことと思いますが、自分自身の原体験から「ベンチャーは元気の連鎖を生み出し、たくさんの元気を創り出す製造装置。関わった人たちが生き方を見直したり、新しい事にチャレンジしたり、本当はなにがやりたいかと自分と向き合ったり、他人ごとから自分ごとへ意識も変えていく可能性がある」と捉えています。こういった観点で、閉塞感のある日本において、心からベンチャーの存在が素晴らしいと感じます。一方でエネルギーが弱くなっていく大人は今までのやりかたに捉われている大人、固執している大人のような気がしています。こういった大人も変わる可能性があります。ベンチャーと出会うと。僕自身が過去そうでしたから(笑)

ベンチャー起業家や心からやりたいことをやって生きている人の存在は人に元気や一歩前に踏み出す勇気を与えます。ベンチャーの人たちの生き様に触発されて、周囲の人がプラス思考・行動に変わって行く。

子供たちにステキな後ろ姿をみせられる大人を増やすことが今の時代にとても大切だと思いませんか?そういう意味でもベンチャーの存在はとっても大きいです。

 

【ベンチャーは人間らしい美しい世界】

ベンチャーは自分の原体験があって、そこからピュアな欲求に火がついて、思考錯誤しながら、これで行こうと覚悟を決めて進む。だれのため、なんのためを追究してサービスや製品をだして社会との循環を創るのに全力で活動する。自分がやりたい事だから楽しいエネルギーがでまくる。楽しいエネルギーがあるところには人は集まる。端から見ると大変な事は多いけど、好きでやっているから、さほど苦にはならない。たまに自分の承認欲求、自分だけの儲け優先欲、搾取欲が強かったり、人のせい、環境のせいにする経営者はいますが。。。これも人間らしい。



 

一方、僕も昔そうでしたが、やらされている感覚でする仕事、お金のために働く、ただ生きる為に働く社会人はどんどん機械のようになっていく、本人が気づかないうちに。良い悪いでなく、どっちが人間らしいかなと考えてしまいます。経済や会社が上向きだったら、それも心地がよいのですが、経済や会社の状況が悪いと不安が増え、不確定な将来を勝手に予測して、左脳が働いて、もっと不安や怖れがとまらなくなる。忘れようと思って、旅行や買い物してもその場は楽しいけど、その場しのぎ。(あーこれ昔の自分です。。。)エネルギー切れの機械だぁ。。。しかもハート(♡)も弱くなり、感じることもできなくなってきているぅ。。。(あーこれも昔の自分です。。。)

僕は独立をしてこういうことがはじめてわかりました。体験しないと分からないですね。自分のピュアな欲求をつかんだり、向かう方向性に覚悟を決めるのは右脳が働くとか心が動くといいますが、計算でなく考えるのではなく感じる事が重要なんですね。そして、方向性にどうやって進むかや言語化をすることは左脳ががんばります。ベンチャーは右脳と左脳が大活躍する人間らしい美しい世界なのです。素晴らしいですね!

 

【つなげたくなっちゃうベンチャーとは】

僕は年間約500件くらい人をつないでいますが、つなぎたくなっちゃうのはどんなときか?うまく言葉で表現できないのですが、自分の心が動いたときです。この人を紹介してくださいとご依頼があっても心が動かないとつなぎません。自分にウソはつきなくないからです。でも心が動き出すとつなぎたくてしょうがなく、心がおさまらなくなります。(ほとんど病気ですw)

そして、サービスや製品よりもその人の人間性、可能性、エネルギーにだんぜん興味があります。どんな感じの人か、頑張って言語化してみました。

・ピュアな欲求(原体験につながった)を大切にしている人

・向かうべく方向性にいくと覚悟を決めている人

・だれのため、なんのため、自分のためというスタンスの人

・だれのため、なんのためを真剣に考え、行動に起こす人

・ムーブメントをつくろうとしている人

・まわりの人を大切にする人

・一緒にいて楽しい人

・一緒にいて心地よい人

・人生観が近い人

・オモロい人(エネルギー的に。。。ごめんなさい!これ以上表現できません。)

・また会いたくなっちゃうような人

・大切なときに心の声で話している人

・本音で話してくれる人

その人だけの本質的な素晴らしさと実際になにができるのかの両方が見えたり、感じたりしたときには心が動くような気もしています。

ではどんな人がつなぎたくないかというとこんな感じです。(おー自分も昔そうでした。。。)

・人のせい、環境のせいにする人

・ファンタジーな人

・自分のストーリーだけで生きている人

・自分の承認欲求、自分だけの儲け優先欲、搾取欲が強い人

・すぐ計算する人

・口だけで行動がついていかない人

・相手の目を気にして、駆け引きをする人

・つねに競争や戦いの世界に身を置いている人

ここ数年はこういった人とはあまり会わなくなりました。それは自分が変わってきたからかもしれません。

 

【人脈つくりでなく仲間つくりの時代】

ベンチャーは仲間が大切とよくいわれます。(ベンチャーだけでないですね。)どうやったら素晴らしい仲間が探せるか?とよく尋ねられます。答は。。。わかりません。。。正直に言うと。

ただ、言える事は人脈をつくろうと思ってはだめだということです。

みなさんの人脈という言葉のイメージはどんな感じでしょうか?

僕の人脈という言葉のイメージは

・ビジネスを成功させるため

・会社、組織、ビジネスのため

・自分がよくなるため

にひと(や組織)を使ってやろう、ひと(や組織)からもらおう。そのためにこちらから与えてから取ろう。目的思考でギブアンドテイクの世界です。どうも僕には違和感があります。ひとから得られる物がなければ関係ないという世界みたいで。。。寂しい感じがします。

実は僕は40才くらいまでずっとこういう思考回路で行動していたような気がしています。実際にはこうしなければいけないと思い込んでいたのかもしれません。ベンチャーと出会ってから、この考え方が変わってきました。人脈つくりでなく仲間つくりなんだと。。。

2000年から仲間つくりの活動をいっぱいしてきました。コミュニティ創り、イベント、国内外ツアーなどいろんなことをしてきました。そういったところでの出会いではあなたはなにができるんですか?(機能的な面)よりもその人の本質的な輝き、オモロさ、趣味とかが見え隠れして、人のイメージが変わったり、より距離感が近くなることが多いです。僕には信頼できる仲間がたくさんいますが、ほとんどこういう楽しくてリラックスした場所でのつながりがきっかけになっています。仲間つくりの活動をとおして、M&A、アライアンス、ベンチャー企業、増資など信じられないほどたくさんうまれたのも事実です。



 

たまには目的を忘れて、一見無駄のように思えても、少しでも心が動いたお誘いやイベントに参加するのも案外と仲間つくりのやり方の一つかもしれません。それから僕のようなコネクターの存在も大切です。(自分でいっちゃった!)自分のことをよく知っているコネクター(人をつなげる欲求が高い人)を見つけるのもいいかもです。これはという決定的な方法は。。。やはりわからないです。それぞれ人によって違うので人材紹介会社のお力などおかりしたり、いろいろやってみてくださいね。

前回のコラムで秦 信行さん(國學院大学 教授)が 【組織よりも個人が重視される社会へ】と書かれてましたが、組織対組織の時代ではなく、今まさに個のつながりの時代です。あやまっても人脈つくりにいかないように。みなさんがステキな仲間と出会えますように心から願っています。

 

このコラムをサイバーエージェント・ベンチャーズ ヴァイス・プレジデント 竹川祐也さんにバトンを渡し、つないでいきたいと思います。竹川さんの魅力は熱い想いをもって誠実に接する人間力と豊富なビジネス経験(ベンチャー経営者、経営企画室長、営業マンなど)の二つに付け加え、独自で想いのある事業会社やベンチャー企業経営者が個でつながるリアルなコミュニティを創られています。先日、僕も参加しましたが、変な緊張のある雰囲気でなく、熱いエネルギーをもつ人たちが気持ちよく人とつながれる環境作りをうまくされているなと感じました。


勝屋 久

勝屋久事務所
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