コラム

日本で1兆円を超えるメガベンチャーを作ろう


木村 新司

株式会社Gunosy
代表取締役

アントレプレナー

2014/03/05 14:00



新日本有限責任監査法人の長南伸明さんからバトンを頂きました、株式会社グノシーの木村新司です。

3年前に株式会社アトランティスをグリー株式会社に売却をした後、エンジェル投資家として、3年間で約10社に投資してきました。

その中で感じたスタートアップの成長のさせ方と日本のスタートアップシーンに必要だと感じた事を書かせて頂きます。



1.大きなテーマを選ぶ文化を

スマートフォンの普及で、大小様々なチャンスが生まれてきています。これはシリコンバレーでも同じだと思います。

しかし、日本とシリコンバレーと圧倒的に違うなあと感じているのは人間生活を格段に便利にできるような、大きなテーマを選ぶスタートアップが少ないということです。

日本とシリコンバレーには様々な差がありますが、2社ほど世界で戦える10兆円企業が出てくれば日本のスタートアップシーンはガラッと変わると思います。その為には、スタート地点としてテーマの大きさ、解決すべき課題の大きさが決定的に足りません。例えば、現在上場予備軍にいる会社のうち、10年で時価総額10兆円になりそうなテーマを選んでいる会社が何社あるでしょうか?我々がまずやるべきは、「小さなテーマを選ばない」という事だと思います。起業家もキャピタリストもそれを実践すべきだと感じています。



2.起業経験があるメンターを集めたファンドを

プロダクトをゼロから1にするのは、まさに起業家の仕事です。そして、最高の醍醐味です。”何か”が混沌から生み出された後、1から10に拡大する場合には、すばやく投資をして急拡大をする必要があります。

しかし、残念ながら殆どの起業家はこういったことを実際に経験した事が有りません。この経験を埋められるのは起業経験があり、且つ、大きな投資をした事がある元起業家のみです。彼らが密着してアドバイスし、アクセルの踏み方、ブレーキのかけ方、人材採用の方法、組織拡大の方法などを叩き込む必要があります。そしてその方法論を一箇所にノウハウとして溜め込む必要があります。

しかし、現状の日本は起業家が集まりファンドを組成して投資を行うという事が行われておりません。起業家が組成し利害が一致したFounder Fundの設立が急務だと思います。

 

3.数年に一度の変化をつかめ

前出の1,2を用意できたら次はチャンスを見出す事が必要です。その為には、何かが大きく変わる潮流が必要です。

これまで大きな会社というのは、デバイスというものが変わる時に出現してきました。テレビは、印刷から電波への放送により生まれましたし、Yahooやアマゾンはインターネット以前からインターネットへの変化時に生まれています。

そしていまはインターネットがPCからスマートフォンへの時代です。デバイスが変化する時に大きなユーザー行動の変化が起き、デバイス接触時間に大きな変化が起きます。グリーやモバゲーもフィーチャーフォンの全盛期にゲームという大きな市場への変化が生み出しました。SEOというトラフィックからソーシャルというトラフィックへの変化がある事からも、成長のきっかけができています。

このような変化は数年に一度必ずやってきます。その時に大きな市場への扉がぱっと一瞬だけ開き、直ぐに閉じてしまいます。大きなテーマの大きな変化のチャンスはほんの一瞬です。このチャンスの中で大きな変化を起こせるものを選びましょう。

 

4.モデルを作って検証し、将棋の駒を戦略的に進めよう

大きなテーマを選び、数年に一度のチャンスに立ち上げ、起業経験があるメンターから出資を集めたら、今度は事業モデルの作成です。このビジネスモデルの作成は、伸び悩んだ時にどうやって乗り越えるのかの、仮説検証が中心となります。

どんなビジネスでも、必ず成長するに従ってユーザーの質が変わります。ユーザーの変化をプロダクトでどう継続的に受け入れられるのかが重要です。殆どのプロダクトが変化を出来ずに死を迎えていきます。

そして、アーリーマジョリティから脱する頃までにプロダクト、マーケティングを大きく変更し投資をしていく必要があります。ちょっとずつ資金を調達し、規模が大きくなる為のポイントを証明し、調達し、証明し、調達し、そしてメガベンチャーになるという、一歩一歩計画的な駒の進め方が大切だとおもいます。この駒の進め方の順番が成功を大きく左右します。



さて、どうでしょう。これは実は私が10年間少しずつブラッシュアップして個人的にやって来た事です。アトランティスの起業時も、グノシーへの投資から成長への導き方も上の通りにやっています。

まだまだスマホは大波です。この大波をこんなやり方でやっているグノシーで一緒に乗りこなしてみませんか?

 

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木村 新司

株式会社Gunosy
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